正しい歯磨きの方法|歯科医師が教える力加減・順番・タイミングと磨き残しゼロのコツ
監修:現役の歯科医師
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正しい歯磨きの方法|歯科医師が教える磨き残しゼロに近づく7つのコツ
「毎日きちんと歯を磨いているのに、歯医者さんで『磨けていませんね』と言われた」という経験はありませんか?歯磨きは毎日行う習慣ですが、正しい方法でないと汚れが取り切れず、虫歯や歯周病の原因になります。今回は、歯科医師の観点から「本当に効果のある歯磨き」の方法をご紹介します。
なぜ「なんとなく磨く」ではダメなのか?
歯磨きの目的はプラーク(歯垢)を除去することです。プラークは食べかすではなく、細菌が歯の表面に作るバイオフィルム(細菌の膜)です。放置すると虫歯菌・歯周病菌が増殖し、24〜48時間で「歯石」として固まり始めます。
歯石になると歯ブラシでは除去できなくなるため、歯科医院での処置が必要になります。プラークの段階で毎日きちんと取り除くことが、すべての予防の基本です。
歯ブラシの選び方
ヘッドの大きさ
奥歯にしっかり届くよう、小さめのヘッドを選びましょう。上の前歯2本分程度の幅が目安です。
毛の硬さ
「かため」は磨けている感覚がありますが、歯ぐきを傷つけたり、歯の根元を削ってしまう原因になります。ふつう〜やわらかめが基本です。歯ぐきが敏感な方はやわらかめを選んでください。
交換のタイミング
毛先が広がってきたら交換時期です。目安は1〜2か月ごと。広がった毛先は効率が大きく落ちます。
正しい磨き方 ステップバイステップ
Step 1:歯ブラシの角度
歯と歯ぐきの境目に歯ブラシを当て、歯軸に対して45度の角度に傾けます。これが「バス法」と呼ばれる、歯周病予防に効果的な磨き方です。境目の溝(歯周ポケット)の汚れを掻き出すイメージで当てましょう。
Step 2:持ち方と力加減(ここが一番大事)
歯ブラシはペングリップ(鉛筆を持つように)で軽く握ります。グーで握ると力が入りすぎてしまうためです。
力加減の目安は,手の爪の間に毛先を入れて動かしても痛くない程度。これくらいやさしい力で十分に汚れは落ちます。痛いと感じたら,磨きすぎのサインです。強すぎるブラッシングは歯ぐきを傷つけ,かえって歯ぐきが下がる原因になります。毛先が広がらない程度の軽い力を意識してください。
Step 3:動かし方
1歯分(約1cm)の幅で細かく振動させます。大きく横に動かすと磨き残しができやすいため、小刻みに動かすことが大切です。
Step 4:磨く順路を決める(右奥上からがおすすめ)
磨く順番を決めておくと、磨き残しが激減します。ポイントは利き手のクセを踏まえること。右利きの方は左側が磨きやすく、逆に右側に磨き残しが多くなりがちです。そこで、磨き残しやすい右の奥・上から磨き始めるのがおすすめです。
診療室でお伝えしている具体的な順路はこちらです。飛ばさず、順番に一筆書きのように動かします。
- 右上の奥から、外側(頬側・唇側)を通って左まで
- 左上から内側(舌側)に移って、右まで
- 上の噛む面(咬合面)
- 下は右下の外側(頬側・唇側)から、上と同じ要領で一周
Step 5:磨き残しやすい「要注意ポイント」を意識する
次の場所は、診療室でも特に磨き残しが目立つ箇所です。意識して丁寧に当てましょう。
- 一番奥の歯の、さらに「奥の面」——見えず、ブラシも届きにくい最難関
- 奥歯(臼歯)の内側(舌側)の、歯ぐきの際——歯石がつきやすい
- 歯と歯ぐきの境目全般
- 右側(右利きの方)——利き手のクセで力が抜けやすい
いつ・何分磨く?(夜が一番大事)
理想は「朝・昼・晩、各10分」
本当に丁寧に磨こうとすると、1回あたり10分ほどかかります。理想は朝・昼・晩の食後3回です。とはいえ、忙しい毎日で毎回10分は難しいもの。無理なら、最低でも朝と夜の2回を目安にしてください。
夜の歯磨きは「絶対」に
もし1回しかできないなら、夜(就寝前)を最優先にしてください。理由は、寝ている間が最も細菌の繁殖しやすい時間帯だからです。睡眠中は食べたり飲んだりせず、唾液の分泌も減るため、口の中の菌がじわじわと増えていきます。ここで汚れを残したまま眠ると、虫歯や歯周病のリスクがぐっと上がります。夜だけは、時間をかけて丁寧に磨きましょう。
磨くタイミングは「食後すぐ」が理想
食後は口の中に食べかすや糖が残り、菌が働き始めます。食後すぐの歯磨きが理想的です。外出先などで難しい場合は、水やお茶で口をゆすぐだけでも違います。
歯ブラシだけでは不十分!補助器具を活用しよう
歯ブラシで届くのは歯の表面の約60〜70%と言われています。残り30〜40%は歯と歯の間にあり、歯ブラシだけではケアできません。
デンタルフロス
糸状のフロスを歯と歯の間に通し、汚れをかき出します。初めは使いにくく感じますが、習慣になると1〜2分でできます。就寝前に使用するのが効果的です。
▶ フロスの巻き方・動かし方は図解付きで解説しています:デンタルフロスの正しい使い方|歯科医師が教える4ステップ
歯間ブラシ
歯と歯の間が広い場合や、歯ぐきが下がった部分に有効です。サイズはSSS〜LLまであるため、歯科医師に合ったサイズを相談しましょう。
舌ブラシ
舌の表面にも細菌が多く付着しています。舌専用のブラシやスクレーパーで優しくケアすることで、口臭予防にも効果があります。
歯磨き粉の選び方
- フッ素配合のものを選ぶ(1,450ppm以下の濃度が一般的)
- 磨いた後は少量の水で軽くうがいし、フッ素を残す
- 研磨剤が多いものは歯の表面を傷つける場合があるため、気になる方は研磨剤フリーを選ぶ
まとめ
正しい歯磨きは「時間をかけること」よりも「汚れをしっかり落とすこと」が目標です。磨く順番を決め、歯と歯ぐきの境目を意識し、フロスや歯間ブラシを組み合わせることで、口腔内を清潔に保てます。「自分の磨き方でいいのかな?」と思ったら、歯科医院でブラッシング指導を受けることをおすすめします。プロに磨き方を教えてもらうのが、最も確実な近道です。
🔬 専門家のひとこと|歯科医師より
頻度は食後3回,少なくとも夜寝る前に。歯と歯ぐきの際はすごくデリケートなので丁寧に。歯肉溝へブラシを入れるときは,指の爪の間に入れても痛くないような圧力で——それ以上は強すぎて歯ぐきを痛めてしまいます。右利きの人は右の奥歯の後ろの面に磨き残しが多いので特に意識を。そして必ずフロスか歯間ブラシを使ってください。 歯ブラシはペングリップ(鉛筆持ち)で、爪の間に毛先を入れて動かしても痛くない程度の力で。痛いのはやりすぎです。時間は理想は朝昼晩10分、無理なら朝と夜、そして夜は絶対に磨いてください(就寝中が一番細菌が繁殖します)。右利きの方は右側に磨き残しが多いので、右奥の上から順番に磨くのがおすすめです。
⚕️ 医療情報についてのご注意
本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。
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